リクルートの社内報「かもめ」は、長く続くグループ報でありながら、時代に合わせてコンテンツや編集方針を刷新し続けています。経営トップのメッセージを一方的に伝えるというよりは、従業員同士の意見交換を促し、一人ひとりに寄り添うメディアとして位置づけられているようです。
企業理念である「新しい価値の創造」「個の尊重」「社会への貢献」を落とし込みつつ、ボトムアップの発想を大事にする編集方針が「かもめ」の特徴です。
「かもめ」は、社内報アワードでゴールド賞を受賞した企画を複数持っています。その一つが「従業員434名の本音から見えてきた『助けて』と言えてる?」という特集です。コロナ禍におけるオンライン入社の増加が背景にあり、特に2年目以下の従業員がコミュニケーションや仕事の進め方で苦戦しているという声があがっていました。そこで、アンケート結果や実際の経験談を丁寧に拾い上げ、「言いたいことがあっても言い出せない」「困ったときにどう助けを求めればいいか分からない」といったリアルな悩みに寄り添う企画を展開したのです。
この特集では、視覚的にもインパクトを出すため、アンケートで判明した数字を大胆に配置し、「入社したばかりの社員が感じる苦手意識がある」というメッセージを、ひと目で読者に伝える工夫が施されました。そして、そのまま問題提起で終わらせるのではなく、「困っている側がどう行動するとよいか」「受け止める側はどのように支援すればよいか」という両面のティップスを明示することで、読者が実践に移しやすい構成になっています。
まさに従業員の生の声を反映しながらも、ゴールまでの導線をしっかり作りあげた点が高く評価されたと言えるでしょう。
もう一つのゴールド賞企画、「すごい問題解決力は定義・分解・取捨選択にあり~エンジニア“的”脳に迫る!」も注目を集めました。リクルート内で増え続けるエンジニア職と非エンジニア職の間には、思考法や言葉の使い方にギャップが生じるケースがあり、これを解消しようという狙いがあったといいます。社外の専門家や、実際に社内で活躍するエンジニアを招き、対談形式で“エンジニア思考”を深堀りすることで、問題を整理する力と解決策を導く力の源泉を探ったのです。これを「分かりやすい会話形式」と「ユニークなビジュアル」で表現し、「抽象化と具体化の行き来」を含めた思考プロセスを、読者が自然に理解できるようデザインされています。
いずれの企画にも共通するのは、読者が「自分ごと」として感じられる仕掛けがあることと、行動につながりやすいフォーマットを用いているという点です。読者の視点に立ちながら、必要な情報を取捨選択し、ビジュアルや会話形式を効果的に活用しているため、単なる情報発信にとどまらず、従業員同士の学び合いや励まし合いが自然に生まれてきます。
従業員の本音を丁寧に拾い、読者視点でデザインされた社内報「かもめ」は、伝わる・動かすコンテンツの好例です。こうした質の高い企画を実現するには、編集・デザインのノウハウを持つ制作会社への依頼がおすすめです。
「読まれる社内報」を作るには、自社に合った質の高い社内報を作ってくれる制作会社を選ぶことが必要不可欠。ここでは、社内報のレベルアップを図ることを目的に創設された社内報の表彰制度「経団連 推薦社内報」の受賞企業の社内報を制作した社内報制作会社を、担当者のお悩み別に紹介します。
※選定条件:2024年4月3日時点、Googleにて「社内報制作会社」で検索し、公式サイトが表示される上位71社を紹介しています。71社のうち、社内報のレベルアップを図ることを目的に1966年に創設された社内報の表彰制度「経団連 推薦社内報」の、受賞企業の社内報を制作した社内報制作会社6社をピックアップ。その中で、以下の特徴を持つ3社を紹介します。
・太平社…印刷会社として創業し、雑誌や紙媒体の制作に精通した唯一の会社のため
※「経団連 推薦社内報」受賞参照元:太平社公式サイト(https://ssl.taiheisha.co.jp/products/internal.html)
・グラスルーツ…社内報制作のスキルアップ研修を行う唯一の会社のため(https://www.grassroots.co.jp/service/schooling/ https://www.grassroots.co.jp/shanaihou/about/index.html)
※「経団連 推薦社内報」受賞参照元:グラスルーツ公式サイト(https://www.grassroots.co.jp/reference/)
・ジーピーオンライン…カスタマイズができ効率化が叶う、且つ定額制で従業員数が増えても金額を気にせず長く利用できるWeb社内報ツールを取り扱う唯一の会社のため
※「経団連 推薦社内報」受賞参照元:ジーピーオンライン公式サイト(https://www.gpol.co.jp/blog/159/)